さらしな歯科医院 静岡県掛川市下俣192-7 0537-23-8808

診療理念

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むし歯のない世界を目指して

これまでの日本の歯科医療においては、様々な理由から予防歯科が浸透せず、対症療法的にむし歯を削ってつめる修復治療が中心に行われてきました。むし歯も歯周病も細菌が主たる原因ですが、ほかにも生活習慣などの様々な要因(リスクファクター)がからんで発症する多因子性疾患です。にもかかわらず、種々の要因によるむし歯や歯周病のなりやすさ(リスク)について評価せず、なぜむし歯になってしまったのか、その原因を患者さんごとに個別に考えることなく、発症した結果だけをとらえて、ただ通り一遍に「歯をみがきましょう」、「甘いものを控えましょう」と、どの患者さんに対しても画一的に指導し、有効な予防法の提案がなされないままに、場当たり的な治療に終始する傾向がありました。その結果、一度治したはずの歯が再びむし歯になり、再治療を繰り返すこととなって、結局は歯を失ってしまうことが少なくありませんでした。

一人あたりの平均的な歯の数

厚生労働省が6年に1回実施している歯科疾患実態調査によると、上のグラフのように高齢になるにつれて歯の本数が 右肩下がりに減少しています。何でもかんで食べることができるためには、20本以上の歯が必要といわれています。しかし、70歳以上の平均的な歯の数は20本に満たず、80歳以上ではおよそ10本程度といった現状です。これでは、十分な食事もままならず、栄養の吸収が悪くなり、かみしめる(くいしばる)ときの力が入りにくくなって身体の運動機能も低下し、ひいては全身の健康を損なうことにもなりかねません。

歯を失うのは加齢現象だからやむを得ないとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません。

実際、歯科先進国であるスウェーデンでは、80歳の平均的な歯の本数は25本で、寝たきりの高齢者の方もほとんどおられません。その理由は、北欧や米国といった世界の先進国では、健康維持のための定期健診(メインテナンス)を基盤とした歯科医療がスタンダードになっており、スウェーデンでは全国民の80%以上、ほかの欧米諸国でも平均して約70%の人たちが歯科の定期健診を受けているからです。一方、日本の歯科定期健診の受診率はあまりに低く、わずか10%前後にすぎません。

欧米では、歯を「治す」ために歯科医院に行くというよりも、歯を「守る」ために定期的に歯科医院に通うという考えが一般的なのです。

80歳以上の一人あたりの平均的な歯の数

このような事実から、さらしな歯科医院では、まず患者さんのご要望などをお聞きしたうえでお口の中をくわしく検査し、削ってつめる治療に先立って、むし歯や歯周病の主たる原因であるバイオフィルム(細菌が集まってできた汚れ)の除去を優先して行い、口内環境をキレイにしていきます(もちろん痛みなどがあれば、そこを最優先で対処いたします)。

人によってお口の中の状況は様々ですし、生活スタイルも色々で、むし歯や歯周病になりやすいか、なりにくいかのリスクの度合いも人それぞれです。ですから、個人ごとにリスクを評価し、その結果から無理のない、その人にあった最適なケアプランをご提供していきます。

歯は削れば削るほど、治療を繰り返すたびに寿命が短くなります。キレイになったお口を維持して、歯をできるだけ削らなくても済むように、早期発見と予防のための定期健診(メインテナンス)にぜひご協力ください。

これまでの歯医者のイメージとだいぶ異なることに戸惑われる方もいらっしゃることと思いますが、10年後、20年後のために必要なことだとご理解ください。